マスクを外せる環境づくり

2月6日の静岡新聞・現論というコーナーに、『マスク外せる環境必要』と題した、人類学者の山際寿一さんの寄稿がありました。

素顔を曝して生きることが、人間にとっていかに重要なことか、よく理解できます。

以下に要約して紹介させて頂きます。

『マスクをして鼻や口という顔の主要部分を覆った状態では、髪型、目つき、しぐさ、身振り、声など限られた指標で相手を識別しなければならない。人間の脳は集団規模の拡大と共に増加したという説がある。一緒に暮らす仲間の数が増え、仲間の性格や癖をよく知って付き合うようになり、記憶容量が増して、脳が大きくなってきた。我々がコミュニケーションの手段として主に使っている言葉は、まだ人類史上では新しく、うまく使いこなせていない不完全なコミュニケーションであり、時と場所を共有して、対面し、相手の表情や態度から気持ちを推し量ることが、最善のコミュニケーション手段である。マスクを外して生活できる環境に戻さなければ、人間は従来の社会関係を気付くことができなくなる恐れがある。特に成長期にある子供たちにとっては、共感力を鍛える場を作ることは不可欠であると思う。』

マスクを外せる場面はなるべく外して、きれいな空気を思いきり吸って、道行く人と笑顔で挨拶を交わす。そんな日常を取り戻しましょう。

マスクを求められない場面ではなるべくマスクをしない。そんなところから始めてみましょう。

（※写真は北海道有志医師の会の啓発文です。山際さんのご意見とは無関係です。）